味噌汁に青汁
味噌にはどんな効能・効果があるのでしょうか。
これを考えるには使用されている大豆の栄養成分と効果を見れば明らかです。
大豆にはタンパク質、脂質、ビタミンA、B群、E、K、ミネラル類、鉄分、食物繊維などが含まれています。
トリプシンインヒビター・イソフラボン(抗ガン効果)
1990年にアメリカの国立がん研究所が植物性食品600種の中で癌の予防効果の ある食品40種を選んで3種類にランク付けを行いました。これをデザイナーズピラ ミッド食品計画と呼び、アメリカ国民の積極的に摂取させた結果、アメリカのがん発生 率が減少しました。
その最上位の分類に大豆がランク付けされました。
その根拠とした のはトリプシンインヒビターとイソフラボンの二つの栄養成分がすい臓がんと乳がん の予防に効果があるという報告です。
大豆に含まれるトリプシンインヒビターはすい臓から分泌されるタンパク質の分解酵 素であるトリプシンの働きを抑える働きがあり、すい臓を活性化してすい臓がんを予 防するといわれています。
これ以外にも糖尿病の予防にも効果があることも知られて います。
一方、イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きがあり、日本 の国立がん研究センターの研究でも閉経後の女性のエストロゲン分泌量が急激に減少 しますが、この時期にイソフラボンを摂取すると乳がんの発生率を低下させるという 報告があります。
さらに、1日3杯の味噌汁を飲むと乳がんの発生リスクは大幅に減少 することも指摘されています。
リノール酸・大豆レシチン・大豆サポニン(悪玉コレステロール低下)
大豆に含まれる脂肪酸の中で一番多いリノール酸とリン脂質の一種である大豆レシチ ンと大豆サポニンはからだの中の脂質を代謝させることによって悪玉コレステロール と中性脂肪を消費させて減少させ、血管の壁へのコレステロールの付着を抑える働き があります。大豆サポニン、カルシウム、カリウム(脳卒中予防)
大豆サポニンには血管内での血栓の発生を防ぎ、カルシウムは血液の固まりやすさを弱め、カリウムはナトリウムの排泄を促し血圧の上昇を抑える働きがあります。これにより、大豆は脳卒中・動脈硬化の予防に効果があります。
ビタミンE (アンチエイジング効果)
ビタミンEのもつ抗酸化作用が老化に関与する活性酸素を取り除くとともに、血管の 流れをよくする働きがありますのでアンチエイジング効果に貢献します。これ以外にも、大豆にはからだに必要な必須アミノ酸をはじめとする良質なタンパク質が含まれており、我々のからだの代謝を促進して体力向上・ダイエット効果に貢献します。
さらに、大豆イソフラボンによる更年期障害の改善、大豆オリゴ糖による整腸作用などの効果があります。
大豆を原料とする味噌がなぜ味噌汁として飲まれるようになったのでしょうか? 実は味噌には塩分がおおく含まれており、血圧・コレステロールの上昇のリスクがあります。
これを防ぐために味噌汁の形で飲まれるようになりました。
しかし、塩分の多い味噌を使っているため、味噌汁の塩分は大丈夫だろうかという疑問はあります。
味噌汁の塩分濃度は普通1%ほどですので、味噌汁1杯(150ml)で約1gです。
厚生労働省が推奨する1日当たりの目標塩分摂取量は成人男性8.0g未満、成人女性7.0g未満ですので、他の食品に比べて決して多くはありません。
また、出汁に使う魚と具に使う緑黄色野菜の栄養成分から得られる効果を考えると味噌汁の栄養効果は非常に高いことがわかります。
青汁と味噌汁の組み合わせの効果
青汁は原料として緑黄色野菜を使っており、含まれる栄養成分は味噌汁とほぼ同じです。しかし、両者を比較すると、それぞれの食品には栄養成分の比率の低い又は無い栄養素があります。
大豆には食物繊維が少しだけであり、抗酸化作用のあるSOD酵素が含まれていません。
一方、青汁には良質なタンパク質が少しだけであり、イソフラボン・リノール酸・トリプシンインヒビターなどが含まれていません。
このことから、味噌汁と青汁を同時に摂取することで、お互いに不足している栄養成分を補うことができるため、強力な完全食品となると言っても過言ではありません。
味噌汁に青汁を加えて、毎日継続して飲み続けることによって、免疫力アップ、生活習慣病の予防・改善、老化防止、更年期障害の改善、代謝アップ、腸内環境の改善、がんの予防などの我々が抱える悩みを解決してくれるスーパーフードとなることができます。